20210507[芸術祭から5日目]
映画「ミステリアス・ピカソ - 天才の秘密」を観た。1957年公開、パブロ・ピカソの制作をカメラに収めた作品だ。ピカソは画布の前に座り、絵を描く。カメラは絵の裏側、ピカソと正対する位置から撮影している。
絵について誰かが話すのを聞いているとピカソのことを思い出す。
「ピカソの絵を上手いという人は本当に絵そのものを評価しているのか?」
この疑問をわたしは「ピカソだからいいといっているのだろう」だとほぼ確信していた。キュビズムとよばれる多視点を1つの絵に統合する作品も何がいいのかわからなかったし、いいという人の理由にも興味を持てなかった。
今はちがう。ピカソが著名だから過大評価されているとは決めつけられない。「ピカソだからいいね」と言うのもありだ。「ピカソかピカソでないか」ではなく、ひとり一人が絵を前にしている様子、「この絵…」と話す様子で判断したい。